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膠原病とは?

 関節リウマチの患者さんは我が国に約70万人存在すると言われていますが、関節リウマチ以外の膠原病は約20疾患ほどを数えます。一つ一つ症例数が少なく、世間では“治癒困難な難病”というイメージで語られる事が多いですが、内科学のなかでも診断、治療の面で進歩が著しい分野です。

「膠原病」の語源について

 1942年米国の病理学者クレンペラーが、結合組織(臓器や組織をつなぐ構成成分)や血管など、膠原繊維を含む組織に特有の病理学的変化(フィブリノイド変性)を来す疾患群を膠原病(collagen disease)と名付けました。それが『膠原病』の由来です。

 一方で膠原病の根本的な病態として『自己免疫現象(自身の免疫細胞、抗体が自分自身を異物と誤って認識し、攻撃を行う仕組み)』が濃厚に関わっています。膠原病には『自己免疫疾患』としての一面もあります。また加えて、膠原病患者さんが示す臨床症状の代表的なものに『リウマチ症状(関節痛などの関節症状)』があります。つまり膠原病には『リウマチ性疾患』としての側面があります。少し頭の整理が必要ですが一例を示すと下記の様になります。

 関節リウマチは関節滑膜に特有の病理学的変化(フィブリノイド変性)を来す『膠原病(病理学的な名称)』であり、内部では『自己免疫疾患(病因論的な名称)』特有の自己免疫現象が生じており、関節炎症状を引き起こす『リウマチ性疾患(臨床的な名称)』でもあると言い表すことが出来ます。

 大学病院などの診療科でも『リウマチ内科』とか『膠原病内科』、『免疫内科』など様々な名称を採用しているのは上記の名称の混乱の名残なのです。

膠原病の共通した特徴

膠原病すべてに該当する訳ではありませんが、おおよその膠原病の特徴を概観すると下記の様になります。

1.特徴的な病理組織像(フィブリノイド変性)を来す

2.複数の臓器(皮膚、関節、肺、心臓、神経、血液など)に障害を来す

3.関節症状(リウマチ症状)を合併することが多い

4.原因が不明である(例外あり)

5.根本的な治療方法が確立していない

6.慢性の炎症性疾患である

7.自己免疫機序が関与(自己免疫疾患)

8.女性に多い

9.患者数が少ない

膠原病の頻度

膠原病の症状

 関節リウマチ同様に全身の関節症状(リウマチ症状)が初期症状となることが多いですが、下記の様な症状も膠原病の可能性が示唆されます。

 膠原病共通…発熱、体重減少、全身倦怠感、原因不明の皮疹、異常な寝汗など

 シェーグレン症候群…ドライアイ、口の渇き、味覚異常、う歯の増加など

 全身性エリテマトーデス…日光過敏、脱毛、頬部の紅斑、口内炎など

 全身性強皮症…寒冷刺激による手指の色調変化(レイノー現象)、皮膚硬化

 多発性筋炎・皮膚筋炎…筋力低下、筋痛、嚥下困難、肘・膝などの皮疹

 ベーチェット病…口内炎、外陰部潰瘍、有痛性紅斑(赤い腫れ物)など

 混合性結合組織病…手指の腫脹(ソーセージ様)、レイノー現象など

 血管炎症候群…発熱、体重減少、皮疹など

 膠原病リウマチ疾患は専門医による的確な診断、早期の治療介入が何にもまして重要です。より詳しい検査が必要な場合や入院を要する場合は、地域の基幹病院と連携し迅速に対応いたします。また、大学病院などの高次の医療機関で初期治療を終了した、安定期の患者様の受け入れも充分可能です。

 

 

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