混合性結合組織病
混合性結合組織病(MCTD)とは?
混合性結合組織病(MCTD:Mixed Connective Tissue Disease)はA.全身性エリテマトーデス(SLE)B.全身性強皮症(SSC)C.多発性筋炎(PM)それぞれの要素(症状、数値の異常)を併せ持ち、かつ抗U1-RNP抗体が単独で高い数値を示す疾患群を指します。
それぞれの要素とはすなわち
A.SLE様所見・・関節の痛みや腫れ、リンパ節の腫れ、顔面の紅斑、漿膜炎(心膜、胸膜炎)、白血球減少
B.SSC様所見・・手指の皮膚硬化、間質性肺炎、食道の異常(動きの低下、拡張)
C.PM様所見・・筋力低下、筋肉に関連した血液検査の異常、筋電図異常
この疾患の診断には上記のA,B,Cのうち少なくとも2つ以上の疾患カテゴリー(例、AとCなど)からそれぞれ1所見以上を満たす事が必要です。さらにレイノー現象やSwollen fingerあるいはPuffy fingerと表現される手指あるいは手全体の腫脹を認めることも必要です。
また、肺高血圧症や無菌性髄膜炎、三叉神経痛があるとA,B,Cの基準は満たさなくともMCTDの診断が可能です。
MCTDは長期に経過観察すると徐々に全身性強皮症や全身性エリテマトーデスの病態に収束する場合もあって、欧米などでは独立した疾患と見なさない傾向もあります。治療はレイノー症状に対する循環改善薬の使用や、合併する臓器の障害(間質性肺炎や肺高血圧症など)に対する対応が中心です。
※国が定める指定難病です。